ものづくりを行う製造業は、常に品質向上の課題と向き合っている業界です。品質を向上させるためには、徹底した品質管理などの改善が必要ですが、どのように取り組むべきか悩んでいる企業の方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、製造業の品質向上の重要性や取り組みについて徹底解説します。また、製造業の品質向上に役立つおすすめのシステムや事例なども合わせてご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
製造業の品質向上の重要性
製造業の基本は、P(量的生産性)Q(品質)C(原価)D(納期)S(安全・衛生)E(環境)です。 顧客のニーズに応える品質を維持しながら製造するためには、欠かせない基本事項です。
例えば、Dの納期を過ぎて納品してしまうと顧客からの信用が失われ、次回からの取引がなくなり売り上げに多大な損失を招くことに繋がりかねません。
製造業の品質に求められる事項としては、以下の内容が挙げられます。
- 【製造業の品質に求められること】
-
- 納期を守る
- 不良品を作らない
- 過剰在庫を作らない
- 生産性の向上を図る
- 作業者の機能レベルを上げる
- 現場の問題点に対して管理や改善を行う
品質向上するためにすべきこと
製造業の品質向上をするためにすべきことは、以下の通りです。
- 【品質向上のためにすべきこと】
-
- 5Sを徹底する
- 工程を見直して生産性を向上させる
- 作業者の技能レベルをアップさせる
- 生産現場のムダやムラを改善する
- デジタル技術を導入し品質検査を向上させる
5Sとは、「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「しつけ」のこと。例えば、工場で部品や材料の整理整頓ができていると、在庫管理が楽になる他、間違いも防げるなど品質向上に役立ちます。また、製造業の品質向上には4Mの管理も重要。4Mとは、「作業者」「設備」「作業方法」「材料」のことです。
上記に挙げた内容を実現して品質向上を実現するためには、4Mすべての見直しや改善が必要となります。品質向上を目指すなら、まずは5Sの徹底と4Mの管理から始めてみましょう。
製造業の品質向上への取り組み
製造業の品質向上を実現するためにすべきことについて解説しましたが、具体的な取り組みとしてどのような方法があるのでしょうか。製造業の品質向上への取り組みとして近年注目されているのが、以下の3つです。
- 【製造業の品質向上への取り組み】
-
- 工場の見える化
- 工場のIoT化
- 製造業のDX化
上記3つの取り組みにはどんな目的があるのかなど、具体的な活用方法なども交えながら以下で詳しく解説します。
工場の見える化
「工場の見える化」とは、工場で働く作業員の作業業務や設備などをすべてデータ化し、情報収集したデータを見ただけで工場のすべてが把握できる状態のことです。
製造業の品質向上への取り組みで「工場の見える化」が注目されている理由は、工場を見える化することで生産効率が上がり品質向上が目指せるからです。
そのほかにも、ムダやムラの発見や工程の見直しなど改善すべき点を見つけられるなど多くのメリットがあります。製造業の品質向上には「工場の見える化」が必要だといえるでしょう。
工場の見える化の目的
工場を見える化する目的としては、次の点が挙げられます。
- 【工場の見える化の目的】
-
- トラブルや問題にいち早く気づく
- ものづくりの生産性を向上させる
- 現場での判断や決断を早く正確に行う
- 社員のモチベーションを向上させる
- コストを削減する
IoTを導入することであらゆるものをデータ化することができるため、上記で挙げた目的を果たすことが可能です。工場をIoT化することで属人化しているノウハウをデータ化でき、また収集したデータをもとに自動制御も実現できるようになります。
データ化することでムダが見えてくるため、コスト削減だけでなく作業負担の軽減にも繋がり、働きやすい環境が生まれる点もメリットです。
工場のIoT化
IoT(Internet of Things)とは、あらゆるものをインターネットに繋ぐこと。例えば、工場におけるIoTでは設備などの情報をデータ化して稼働状況をリアルタイムに把握できます。
IoTと見える化とを混同される方もいますが、内容は異なります。見える化とは、先に述べたように「収集したデータを見ることにより工場で何が起きているのかが把握できる」こと。見える化を実現するためには、あらゆるものをデータ化するIoTが必要となります。すなわち、工場のIoT化をすることで見える化が実現できるというわけです。
工場のIoT化のフェーズには「見える化」→「制御」→「自動化」の3段階があり、見える化をすることで制御と自動化が可能になるため、まずは工場のIoT化を進めることが最優先となります。
工場のIoT化の目的
- 【工場IoT化の目的】
-
- データの見える化
- 生産工程の見える化
- 設備の不具合や故障の素早い発見
- データを分析して改善や開発に繋げること
- 作業負担の軽減
工場を見える化することで、ムダやムラを改善し生産性を高めることが可能。また、設備のトラブルや問題にいち早く気づくことができる他、故障などトラブルの度合いによっては生産を止めるべきかなどの判断や決断を素早く正確に行うこともできます。
工場の見える化の具体的な活用方法は、人的リソースの把握や電力値の稼働率を可視化、エネルギー使用量の可視化など。工場を見える化することで、品質が向上し顧客満足度も上がります。すると、受注が増えるなど業績を伸ばすことにも繋がるため、経営が良い方向に向かい企業全体が潤うのです。
製造業のDX化
DX(デジタルトランスフォーメンションの略)とは、データとデジタル技術を活用して製品やサービス、ビジネスモデルの変革を行うなどして顧客の生活を豊かにすることです。
製造業のDX化は経済産業省が推進しており、その理由の一つに「2025年の崖」問題があります。「2025年の崖」問題を解決できない場合、最大で年間12兆円という膨大な経済損失が生まれる可能性があるため、経済産業省は問題解決の糸口としてDX化を推進しているのです。
また、製造業の課題として、人材不足やグローバル競争で負けないための戦略が挙げられています。グローバル化においてはスピード感が不可欠。また、人材不足は少子高齢化が進み慢性的・構造的な課題となっています。このような課題の解決にもDX化は有効であるため、多くの企業がDX化の実現に向けて検討しているのが現状です。
DX化とIoT化との違いは、IoTがあらゆるものをデータ化する仕組みであるのに対し、DX化はデータの収集と分析を行って必要な変革をする点。見える化と同様に、DX化を進めるためにはIoTの導入が欠かせません。
製造業のDX化の目的
- 【製造業のDX化の目的】
-
- 製品やサービス、ビジネスモデルの変革
- 競争力の向上
- 顧客の生活を向上させる製品の提供
- コスト削減
- 生産性の向上
製造業DX化の最大の目的は、データを収集し分析してさまざまな変革を行い競争上の優位性を確立すること。また、DX化を進めることでコスト削減や人材不足の解消など品質向上にも繋がるため、DX化をいち早く進めていくべき業種だと言えるでしょう。
製造業の品質向上には実績班長がおすすめ!
製造業の品質向上を実現するためには、「実績班長」の導入がおすすめです。実績班長は製造業における様々な課題を解決できる機能が豊富に備わっているため、導入により品質向上をサポートします。その他にも、下記のようにおすすめの理由があります。
- 【実績班長が製造業の品質向上におすすめの理由】
-
- 品質向上に必要な機能が豊富
- 工場のIoT化がスムーズ
- 工場の見える化を実現
- 製造業のDX化を実現
製造業の品質向上への取り組みで解説した内容が、実績班長を導入することで実現できます。下記でそれぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。
品質向上に必要な機能が豊富
「実績班長」は製造業の現場に特化したシステムのため、あらゆる情報を収集する機能が豊富に備わっています。例えば、進捗管理や品質管理、労務管理や在庫管理などがあり、機能を駆使することで品質向上へと繋ぐことが可能です。
また、実績班長はMESパッケージシステムなので、解決したい課題や目標などに合わせて必要なシステムだけをピックアップでき、低コストでの導入が可能。そして、ERPと連携できる点もコスト削減に貢献します。コスト削減をすることで、品質向上に必要な予算が増えるといった点もメリットです。
工場のIoT化がスムーズ
実績班長にはIoT機能があり、工場をIoT化できます。また、実績班長のIoT機能では、PLCとの連携や多彩なセンサーとの連携が可能となる専用ツールがあるため、古い設備も新しい設備もデータを収集してデジタル化が可能です。
古い設備がありIoT化が難しいと悩んでいる企業がありますが、実績班長なら工場のIoT化がスムーズ。工場のIoT化が可能になると、製品ロスや機会損失を防ぐといった品質向上へのメリットがあります。
工場の見える化を実現
実績班長の多彩な機能を使うことで、工場の見える化を実現することが可能。例えば、進捗管理機能では生産途中の進捗状況をリアルタイムで確認することができ、トラブルで停止している工程も把握することができるため、進捗状況の把握が難しかった課題を解決できます。
また、複数工場のデータを一括管理できるため、離れた工場の見える化も可能。工場の見える化は、生産効率の向上やトラブルを抑えることができるなど、品質向上に多くのメリットをもたらします。
製造業のDX化を実現
製造業のDX化実現のためには、工場の現場で起きている「コト」をデジタル化することが必要です。IoTを導入することで、すべての「コト」をデータ化することが可能。収集した膨大なデータを分析することで、改善点や新たな製品作りのヒントを得られるなど、品質向上にも役立ちます。
実績班長の導入により品質向上を実現した事例
製造業の品質向上に「実績班長」がおすすめである理由について解説してきましたが、実際に導入した企業がどのような効果が得られたのか気になる人も多いことでしょう。ここでは、実績班長の導入で品質向上を実現した事例をご紹介します。
導入企業 | 株式会社府中テンパール |
---|---|
業種 | 配線器具製造事業 |
- 【導入前の課題】
-
- パッケージシステムを利用して費用を抑えること
- 部品の組立工場で段取り替えにかかる時間の把握ができること
- 売り上げに対する実工数を見える化してコスト分析を行うためのデータを取得すること
- 【導入後の効果】
-
- パッケージシステムの採用による低コストでのシステム導入
- モデル工程に沿って管理ができるパッケージならではの仕組みの簡易さ
実績班長を導入することにより、徹底した進歩管理と品質保証を実践できました。また、原価工数の収集や作業者のスキルを見える化したことで、工数削減と品質向上が実現できたということです。
まとめ
製造業の品質向上の重要性や取り組みなどについて解説してきました。品質向上をするためにすべきことは5Sの徹底や4Mの見直しと改善。そして、必要な取り組みは、工場の見える化と工場のIoT化、製造業のDX化の3つです。「実績班長」を導入することで3つとも低コストで実現できるため、品質向上を目指している企業の方はぜひご検討ください。