テクノシステム実績班長IoT時代の現場特化型
MESパッケージシステム

COLUMN実績班長のコラム

2023.06.05

QCとQAの違いは?QC(品質管理)・QA(品質保証)の意味やポイントを解説

QC(品質管理)とQA(品質保証)は、高品質な製品を生み出す上で欠かせない業務です。同じ意味で使われるケースも多いですが、実は違いがあることをご存知ですか。

今回は、ものづくりに携わる全ての人が理解しておくべき「QCとQA」について、意味の違い、各業務を実施する際のポイントを解説。さらに、QC・QA業務をサポートする製造実行システム「実績班長」もご紹介します。

QC(品質管理)とQA(品質保証)の違い

QC(品質管理)とQA(品質保証)は、製品を製造・販売する企業にとって欠かせない業務です。

両者は似た言葉であるため、混同されやすいですが、以下のように「時間軸」「責任」「業務範囲」の3点に違いがあります。

QC(品質管理) QA(品質保証)
時間軸 製品完成まで 製品の企画段階から販売後まで
責任 製品完成までの品質強化/基準のクリアなどの責任を負う 製品を利用するお客様(ユーザー)に対しても負う
業務範囲 QAに比べて限定的 包括的(企画からアフターサービスまで)

QC(品質管理)とは

QC(Quality Control)とは、製品に対して一定以上の品質をキープするとともに、品質向上に務める管理業務です。日本語では「品質管理」と訳されます。

なお「品質」とは、JIS Q 9000(国際規格・ISO 9000の国内版)において、以下のように定義されています。

【「品質」の定義】
「本来備わっている特性の集まりが、要求事項を満たす程度
引用:JIS Q 9000

つまり、品質管理とは「製品に対して期待される特性・要求をクリアするための業務」ということができるでしょう。

QCが携わる業務の時間軸は「製品の製造工程」であり、基本的に「製品の製造〜完成品」に対して責任を負います。業務範囲もQAと比較して限定的と言えるでしょう。

品質面の異常を早期に発見するためにも、QCは不可欠です。おろそかにすると品質低下、不良品の増加、スケジュールの遅延などにつながる恐れもあるため、QCを徹底しなければなりません。

主な業務内容

QCの主な業務内容は以下の通りです。

  • 材料検査
  • 不適合材料/不良品の調査・隔離
  • 異常に対する原因究明・改善
  • 製品の最終検査
  • 品質教育の実施 など

QCの業務では「不良品の発生を抑えること」「品質基準をクリアすること」が大きなミッションです。

なお、国内の品質基準ではJIS(日本産業規格)やPSE(電気用品安全法)、国際規格ではISO9000シリーズの5種類の規格などがあります。

QCの業務は黙々と検査だけをするイメージかもしれませんが、実際は異常に対する原因究明・改善などにおいて、現場からのヒアリングや他部署との連携など多くのコミュニケーションが発生します。

QA(品質保証)とは

QA(Quality Assurance)とは、製品の企画段階から携わり、出荷後まで品質を保証する業務です。日本語では「品質保証」と訳されます。

QAが携わる業務の時間軸は「製品の企画から販売後まで」であり、製品のみならず「製品が市場に出てお客様(ユーザー)の手に渡った後」に対しても責任を負います。業務範囲はQCと比較して広く、包括的と言えるでしょう。

高い顧客満足を獲得し、その向上を目指す上でも、QAは不可欠です。おろそかにすると、クレームの増加、製品使用による事故、取引先からの信頼喪失などにつながる恐れもあるため、行き届いたQAが求められます。

主な業務内容

QCの主な業務内容は以下の通りです。

  • 企画・仕様書/規格書の作成
  • 材料調達
  • 製造
  • 出荷
  • 市場調査
  • 顧客対応(クレーム・リコール対応含む) など

QAの業務は「長期的に品質強化に取り組むこと」が大きな特徴です。QCの業務内容に重なる部分も多く、実際に、QA業務をQCが担う企業も少なくありません。

QAは製品の企画段階から携わり、採用する品質基準(規格)を決めることも業務の1つです。
さらに、品質維持できているかを各工程で見守り、商品出荷後のフィードバックを得ることも重要な仕事となります。

QCのミッションが主に製品に関わるのに対して、QAのミッションは「顧客満足度を高める」「製造現場全体を支える」など、人や環境にも関わっているのです。

製造業のQC(品質管理)・QA(品質保証)のポイント

製造業でQC(品質管理)・QA(品質保証)の業務を実施する際のポイントは、以下の4つです。

  • 顧客のニーズを把握する
  • PDCAサイクルを回す
  • QC7つ道具を活用する
  • IE(インダストリアルエンジニアリング)

QAはQCの業務内容とも重なっており、QCがQA業務を実施する企業も少なくありません。そのため、QCとQAは完全に分けて考えず、連携したものと捉え、ポイントを実践すると良いでしょう。

ここからは各ポイントについて、詳しく見ていきます。

顧客のニーズを把握する

顧客ニーズは、QAの品質強化において活用されるため、しっかり把握しておくことが重要です。

QAの品質強化のステップは「製造品質強化」「設計品質強化」の2つに大別できます。

設計品質強化の手段の1つに「QFD(品質機能展開)」があり、そこでは「フィードバックした顧客のニーズ」を設計に反映させることが求められるのです。

顧客ニーズを把握する際は、顧客へのアンケート結果・クレーム情報・購買データなどを利用すると良いでしょう。

PDCAサイクルを回す

PDCAサイクルは特に、QCを円滑に実施する上で不可欠な手法です。

PDCAサイクルは「Plan・Do・Check・Action」の頭文字を取ったもので、それぞれ以下を意味します。

  • Plan(計画):目標を明確化し計画立案する
  • Do(実行):計画を実行する
  • Check(評価):実行した計画を正しく評価する
  • Action(改善):評価から改善点を浮き彫りにして次のステップにつなげる

上記のステップを何度も回すことで、改善を繰り返し、より良い品質を目指すことができます。

なお、Check(評価)には、消費者(ユーザー)や市場からの評価も含まれるため、しっかりとAction(改善)や、次のPlan(計画)に反映させることが重要です。

QC7つ道具を活用する

QCの業務を円滑に行う手法として「QC7つ道具」と呼ばれるものがあります。グラフや図でデータを視覚的に表すことで、分析結果の理解を深めたり、情報共有をサポートします。

種類 特徴
グラフ 折れ線グラフ・棒グラフなどを用いて、全体的なデータの傾向を可視化する
パレート図 折れ線グラフと棒グラフを組み合わせた「パレート図」で、複数の課題と、各項目が占める割合を一目でわかるようにする
チェックシート 記録シートで、設定した確認項目・点検の合否をチェックする
ヒストグラム データがどのように分布しているか可視化する
特性要因図 結果の構成要因を書き出すことで、問題点を抽出する
散布図 横軸・縦軸のグラフに点を打ち、2つのデータの相関関係を可視化する
管理図 工程データを複数の折れ線グラフで表し、対比して異常を検知する

QCは管理すべき事柄が非常に多く、状況が見えにくくなる恐れもあるため、上記の7つ道具を積極的に活用して「状況の見える化」に役立ててください。

IE(インダストリアルエンジニアリング)

IE(インダストリアルエンジニアリング)は、QCにおいて、作業工程や作業内容のムダ・属人化をなくす際に役立つ手法です。

IEの手法には、主に以下の2つがあります。

  • 方法研究
    作業における工程/動作/運搬を分析し、それぞれでムダやロスを発見します。
  • 作業測定
    作業・動作の時間を測定する「時間分析」、ムダな非稼働時間などを分析する「稼働分析」などを実施します。

IEを実施すると、各作業工程における状況を見える化できるため、各工程で品質を維持する際にも役立ちます。

製造現場のQC・QAの課題解決は「実績班長」がおすすめ

QCやQAを円滑に実施するためには、製造現場の可視化が不可欠となります。

そんな時に役立つのが製造実行システム「実績班長」です。

「実績班長」は、各種データをリアルタイムに取得して、製造現場を可視化します。

QC・QAの課題解決に「実績班長」をおすすめする理由は以下の通りですが、それぞれ詳しく見ていきましょう。

QC・QAの課題解決に実績班長がおすすめの理由
  • 入荷から出荷までを一元管理できる
  • 既存設備・システムと連携できる
  • 品質の見える化が実現できる

入荷から出荷までを一元管理できる

「実績班長」は、製造現場に特化した製造実行システムで、製造に関わる工程をトータルに管理することができます。

具体的には「入荷、在庫・棚卸、投入、連携、製造、検査、出荷」までが一元管理できるだけでなく、各工程をIoT化し、データ収集することで、工程ごとの悩みや課題にアプローチすることが可能です。

一例としては、進捗の見える化・稼働状況の監視・ノウハウのデータ化などを通じて、QC・QA業務をサポートします。

既存設備・システムと連携できる

製造現場にIoT導入する場合、設備の交換や改造が必要となるケースも少なくありません。

一方、「実績班長」は、外付けセンサーを使用するため、既存設備を活かして現場の見える化を実現します。さらに既存のシステムやERPとも連携できるため、コストを抑えてIoT化しつつ、より良いQC・QAを実現します。

品質の見える化が実現できる

「実績班長」は、生産工程に合わせて、リアルタイムに品質情報が収集できます。

これによって、 品質の異常・不良に気付かず、製造を続けるリスクを避けることが可能です。

また、品質情報はデジタル形式で自動収集されるため、紙の検査記録と比較して、調査時間も短縮できます。

さらに、タブレットのカメラで現場の状況を撮影し、検査記録することで、品質保証にリアルタイム連携できる点も大きなメリットです。

実績班長の導入事例

「実績班長」の導入で、より良い品質管理・品質保証を実現している例は少なくありません。

最後に「実績班長」の導入事例を見てみましょう。

導入事例:アサヒ飲料株式会社 群馬工場

業種 食品製造・販売
サービス内容 各種飲料水の製造、販売、自動販売機のオペレート、その他関連業務
【導入前の課題】
  • 品質向上のために、データの電子化を進めたい
  • 現場の声を反映したシステムの導入
【導入後の効果】
  • 電子帳簿への確実な記録が可能に
  • 記録やチェックの遅れを削減
  • 現場からの受け入れもスムーズ

国内を代表する飲料事業のリーディング企業であるアサヒ飲料株式会社。 全社的な品質向上プロジェクトの一環として、データの電子化を推進するタイミングで、群馬工場にて「実績班長」を導入しました。その結果、特に困難であった「人の手による作業記録」の電子化に成功。品質管理において避けるべき「記録の遅れ・付け忘れ」「文字が判読できない」などの問題がなくなりました。システム導入後のアンケートでも、おおむね高評価でした。

まとめ

QC(品質管理)とQA(品質保証)は、製品の品質を保ち、安全性を担保し、さらなる高品質を目指す上で欠かせない業務です。

QA・QCでは、生産現場や生産プロセスの可視化が不可欠で、そこから課題を抽出し、改善を実行します。

「実績班長」は、そんなQA・QC業務をIoT化でサポート。データの自動取得によって業務負担を軽減するとともに、常に品質を見守り続けます。

ご相談無料 お気軽に
お問い合わせください