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COLUMN実績班長のコラム

2022.03.23

エクセルのガントチャートで工程管理をする方法|テンプレートを利用した作り方も紹介

製造業の現場では、作業の流れを見える化するため「工程管理表(ガントチャート)」が使われています。上司から「工程管理表を作って」と指示されたとき、あなたなら何を使って作成しますか?工程管理表はエクセルを使うと、簡単に作成できます。

今回は、マイクロソフト社オフィスシリーズのエクセルを使った工程管理表の作り方、作成するときのポイント、工程管理表の作成に便利なシステムについて紹介します。

エクセルのガントチャートで工程管理が可能!

工程管理は、エクセルのガントチャートを使うと便利です。ガントチャートとは、アメリカの経営コンサルタント・ヘンリー・ガントが考案したチャート図のこと。複数の人が作業にかかわる生産や工事の現場では、作業がどれくらい進んでいるか、誰がどこまで終わったか、といった進み具合が分かりにくいときがあります。そこで作られるのがガントチャートです。

ガントチャートで工程管理を行うと、「誰が・いつまでに・何をすべきか」が一目で分かります。作業が遅れそうなときも、早い段階から把握できるため、作業が早めに終わりそうな工程から人員を調整することもできます。

工程管理表とは

工程管理表とは、製造業の各工程を見える化した「スケジュール表」です。工場の中では、製品が複数の工程を経て完成し、出荷されます。

縦軸に作業内容、担当者、横軸に日時や時間を取り、進み具合を棒グラフで表します。時間や流れは必要に応じて設定します。

ある工程の作業が遅れると、後工程には何も作らない「ムダな時間」が生じます。ムダを徹底的になくし、効率的に生産することが求められる現場では、工程を管理することが重要です。工程管理が徹底されていると、突発的な事態が起きてもスケジュールを修正することで、遅れによる損失やミスを未然に防ぐことができます。

工程管理表は、製造業だけでなく、建設業、IT業界でのプロジェクト管理などにも活用されています。

エクセルで工程管理をするメリット

エクセルで工程管理するメリットは以下の通りです。

  • コストがかからない
  • 使い慣れている
  • カスタマイズできる

オフィスシリーズのエクセルは、パソコンを購入したときに、すでにパッケージされていることもあります。入っていなくても比較的安価で手に入るため、コストがあまりかかりません。

エクセルは一般的に使われている表計算ソフトなため、なじみがある人も多く、操作をゼロから覚える必要もありません。さらに、関数やマクロなどの機能を使うと、工程管理表をカスタマイズできるのもメリットです。

エクセルで工程管理をするデメリット

エクセルのガントチャートで工程管理をするデメリットは以下の通りです。

  • スマートフォンやタブレットに対応しきれていない
  • ファイルを開けないことがある

エクセルは、スマートフォンやタブレットに対応しきれていません。閲覧や簡易な編集は無料でできるのですが、10.1インチ以上のタブレッになると有料になります。複雑な工程管理表だと、現場や外出先で作業の進み具合を確認し、編集することが難しく、リアルタイムで対応できないこともあります。

古いバージョンのエクセルで作成すると、ファイルを正常に開くことができない場合があります。互換モードを確認することが大切です。

工程管理表作成の際にテンプレートを使用するのがおすすめ

工程管理表を作成するとき、テンプレートを使用するのがおすすめです。

テンプレートを使わずにゼロからエクセルで作成するには、罫線を使って表を作成し、各工程の開始から終了までの期間のセルを塗りつぶすことが必要です。手作業で塗りつぶすこともできるのですが、手間と時間がかかり、塗り間違いのリスクも生じます。またスケジュール変更があると、日時と塗りつぶしたセルを修正しなければなりません。

そこで、条件付き書式や関数で自動化するのですが、関数の知識があまりない人やエクセル初心者にとって負担が大きくなります。

工程管理表に使えるエクセルのテンプレートは、インターネットで検索「ガントチャート テンプレート」「ガントチャート フリー」などのキーワードで検索すると見つかります。無料のテンプレートもあります。

テンプレートを利用した工程管理表(ガントチャート)の作り方

エクセルでガントチャートを一から作成するよりも、テンプレートを利用すると効率的です。ここでは、マイクロソフト社のテンプレートを使用して、作成してみましょう。

工程管理表(ガントチャート)の作り方の流れ・手順は下記の通りです。

  • ① 作業を洗い出す
  • ② 実施期間を決める
  • ③ 担当者を決める
  • ④ テンプレートをDLする
  • ⑤ チャートに記入する

まず、手書きで工程ごとの作業手順を洗い出します。作業ごとの実施期間と担当者を決めた後、テンプレートをダウンロードして、チャートに記入します。エクセルをファイルに保存するときは、作成した年月日も忘れずに記載しましょう。

※参考資料:Microsoft│シンプル ガント チャート

⓵作業を洗い出す

まず縦軸に記載する作業を洗い出します。食品加工の製造工程を例に挙げると、原材料受入→カット→混合→成形→加熱→袋詰め→殺菌→冷却→箱詰め→出荷が一連の工程となります。

次に、各工程を細分化してタスク(作業)ごとに書き出します。原材料受入の工程だと、発注作業や入荷時期の管理、価格の管理、入荷した原材料を読み取る2次元コードリーダーの読み取りなどが挙げられます。

洗い出したタスクは、作業の手順通りに記入するのですが、細かすぎると管理が大変になるので、まとめられるタスクがあればまとめておくのがポイントです。

⓶実施期間を決める

次に横軸となる、実施期間を決定します。単位は、日や月、年など、規模に応じて選びます。開始する日と終了する日を設定するのですが、ある程度期限に余裕を持たせることがポイントです。

タイトなスケジュールにすると、トラブルが発生したときの対応が難しくなります。これまでの実績データを確認しながら期間を決めるようにしましょう。

⓷担当者を決める

各タスクの担当者を決定します。担当者の名前は、縦軸の作業項目の隣に書くのが一般的です。

担当者を決めるとき、1人に負担が集中しないようにすることです。多工程持ちの人もいるため、バランスよく負担を分散させることが大切です。

④テンプレートをDLする

引用元:Microsoft

マイクロソフト社のテンプレートからシンプルガントチャートをダウンロードします。ガントチャートはそれだけで重要な情報なので、デザインに凝る必要はありません。シンプルで見やすいものがおすすめです。青いダウンロードボタンをクリックすると、使用することができます。

⑤チャートに記入する

作業項目、実施期間、担当者をガントチャートに記入します。

作業には前工程が終了しないと始められないもの、同時進行的に行えるものなど、いろいろあります。関連性のあるタスクごとに色分けし、同時進行的に行えるタスクはまとめて記入するなど、見やすいように工夫してみましょう。

エクセルで工程管理を行う際のポイント

エクセルで工程管理表を行う際、以下のような注意点があります。

  • 各工程を正確に区分する
  • 誰が見てもわかりやすい表を作成する
  • ファイルの取り扱いに注意する

工程管理表を作成する目的は、誰が何をしているかを見える化して、現場の状況を把握することです。各工程を正確に区分し、誰が見ても分かりやすい表でなければなりません。またファイルの取り扱いにも注意が必要です。

各工程を正確に区分する

エクセルで工程管理を行うとき、各工程を正確に区分することが大切です。いったんガントチャートを作成した後に、塗りつぶした期間が重なっているところが見つかるかもしれません。また負荷がかかりすぎて、スケジュール通りいかない工程が見つかるかもしれません。

重なりが見つかったタスクは、再度細分化してみると、調整できる場合もあります。スケジュールは余裕を持って組んでください。締め切りから逆算してスケジュールを組むケースも多いのですが、過去のデータを分析して、作業ごとに必要な時間を検討し直すほか、できるだけ多くの現場の声を拾い上げることも大切です。

誰が見てもわかりやすい表を作成する

エクセルで工程管理を行うとき、誰が見てもわかりやすい表を作成するよう心がけましょう。複数の人が工程管理表を確認して、作業を進めます。常に更新して作業に当たるため、わかりにくい表だと使う人がいなくなるかもしれません。

作業がどこまで進んでいるのか、まだ着手していない状態なのか、完了したのか、といった進捗状況を色分けすると見やすくなります。優先順位の高い工程から色で区分するのも効果的です。

さらに、何%終わっているかなど、具体的に数字で表すと分かりやすくなります。

ファイルの取り扱いに注意する

ファイルをコピーして保存する人がいるかもしれません。むやみにファイルを保存してしまうと、どれが最新のファイルなのかわかりにくくなります。また、古いファイルを更新すると、正確な状況把握ができなくなります。

ファイルの取り扱いは厳重にルールを決めて行うようにしましょう。

工程管理には実績班長がおすすめ!

工程管理にはエクセルよりも「実績班長」がおすすめです。実績班長は、現場に特化したMES(Manufacturing Execution System:製造実行システム)で、導入することで工程管理の効率化を図ることができます。おすすめの理由は以下の3つが挙げられます。

  • 現場で起きていることを一元管理
  • 古い設備もIoTでデジタル化が可能
  • 計画値に対する実績値を自動で紐づけ

実績班長は現場で起きていることをリアルタイムで一元管理できます。古い設備もIoTでデジタル化できるため、設備を買い替える必要はありません。スケジュール表を簡単に作成できると同時に、計画値に対する実績値を自動で紐づけることができます。

現場で起きていることを一元管理

実績班長を使うと、現場で起きていることを一元管理できます。全工程を見える化し、現場に行かなければ分からなかったことでも、タブレット1台あれば、どこにいても把握することが可能です。

多台持ち作業や複数人同時作業、同時オーダー、連続生産での途中出来高なども一元管理でき、会社のニーズに合わせて必要な機能をカスタマイズできるのも特徴です。

大型モニタを設置すると、持ち場を離れずに、その場で全工程の進み具合が確認できるとあって、移動時間のムダがなくなります。

古い設備もIoTでデジタル化が可能

実績班長を導入すると、古い設備もIoTでデジタル化が可能になります。古い設備からデータを取得するためには、新たなツールを取り付ける必要があるのですが、対応できないものも数多く存在します。また、新しい設備に取り替えるとしても、多額のコストがかかります。

実績班長は、設備の新旧に関係なく、現場のあらゆるデータを取得し、IoTの技術によって迅速にデジタル化します。古い設備だからといって、IoT活用を諦めないでください。

計画値に対する実績値を自動で紐づけ

エクセルのガントチャートで工程管理を行う場合、計画値に対する実績値は手動で記入することになるのですが、手入力では打ち間違いのリスクがあり、時間がかかりすぎてしまいます。実績班長なら実績値を自動で紐づけることができ、必要な情報を必要な時にすぐ確認することが可能です。

実績班長の導入で進捗の見える化に成功した事例

実績班長を導入することによってどのような効果を得られるのでしょう。実績班長を導入した事例を紹介します。

  • 導入事例1:ビューテック株式会社
  • 導入事例2:気高電機株式会社

導入事例1:ビューテック株式会社

ビューテック株式会社は、静岡県湖西市を拠点に自動車用・産業用強化ガラス、自動車用硝子の組付加工などを行っています。

【導入前の課題】
  • 作業後に日報を手書きするため、情報の精度にバラつきがあった
  • 進捗把握は定時後に管理者が日報を改修しExcel入力していた
  • 直接現場に見に行かないと装置の稼働状況が把握できない
  • 現場の情報共有に時間がかかっているため、不具合の原因究明が進まなかった
【導入後の効果】
  • IoT活用により、成形機の稼働時間、ショット数など、正確な実績データ収集を実現
  • 正確な情報を元にした生産計画を定時内に立案することを実現
  • リアルタイムな装置稼働状態監視により、トラブルの早期発見、装置稼働率の向上を実現
  • 現場の情報がリアルタイムにデータ化され、カイゼンのPDCAをショートスパンで実現

進捗管理機能と、成形機の製造実績をIoTで収集する機能を導入しました。

導入前は、作業後に管理者が紙の日報を回収し、それをエクセルで入力してデジタル化していたのですが、確認して対策をするまでに1週間ほどの時間がかかっていました。1週間も経つと、問題発生時の記憶もあいまいになり、正確な対処ができないこともありました。

実績班長では問題発生の状況をリアルタイムに把握できるので、対策が迅速にできるようになりました。タブレットで日報管理を行っているため、ペーパーレス化も推進できました。

不良品の発生についても現場でリアルタイムに登録しているため、以前に比べて良品率が格段に上がっています。歩留以外にもこれまで、グレーゾーンだったところも数字として表れるので、品質向上につながっています。

導入事例2:気高電機株式会社

気高電機株式会社は鳥取県鳥取市に拠点を置電機メーカーです。日本の大手家電メーカーとともに最新の炊飯器、ジャーポットなどの家電製品の製造を行っています。

【導入前の課題】
  • 予算を抑えたシステム構築
  • システムのプラットフォームに装置を連動させる
  • IoT技術で全成型機、周辺設備を連動したい
  • 成形条件と品質データの見える化
【導入後の効果】
  • 生産進捗の見える化による稼働率向上
  • データ分析による不良出現傾向の事前検知

生産指示を見える化し、情報共有がスムーズにできる進捗管理機能、「作りすぎのムダ」を排除する原価管理機能、品質管理機能を導入しました。

「実績班長」を導入したことで、予想通りの進捗モニタリングができています。生産進捗の見える化により、人のミスで次工程の生産準備が間に合わないことにより発生していた不稼働ロスがなくなりました。無駄をなくし、ミスを事前検知することで、イレギュラーに発生し得る不良を未然に防いているという実感があります。

これまでは、不良品ができて初めて、設備の不備が発覚することがほとんどでしたが、温度データなどをきちんと取ったことで、金型の冷却不全の傾向が見え、不良品が発生するラインが分かるようになりました。

まとめ

製造業の全ての工程を見える化する工程管理表は、エクセルのテンプレートを使うと簡単に作成できます。無料のテンプレートも数多く存在し便利ですが、さらに効率よく作成して予定と実績を分析したい場合は、実績班長がおすすめです。現場をリアルタイムに把握する実績班長を導入すると、スムーズな工程管理が実現できます。分かりやすい工程管理表を作成したいが、改善方法が分からない、といった場合には、お気軽にご相談ください。

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