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COLUMN実績班長のコラム

2023.04.04

数量間違いの対策5選!ピッキングミスが多い原因やシステムを用いた対策法

数量間違い(ピッキングミス)は、製造業の出荷作業で防がなければならない問題です。納入先に数量を誤った製品を出荷すれば、信用問題にも関わります。しかし、出荷作業をうまくコントロールできず、数量間違いの発生に悩んでいる企業も多いのでないでしょうか。

今回は、数量間違いの概要や原因、5つの対策について解説します。ミスの発生を防いで、業務効率化につなげる参考にしてはいかがでしょうか。

数量間違い(ピッキングミス)とは

製造業における数量間違いとは、出荷する製品の数量を誤ることです。ピッキング中、作業員自身のミスや作業環境によって発生する可能性があります。

数量間違いが及ぼす悪影響

数量間違いは小さなミスであるものの、企業全体に悪影響を及ぼしかねません。

具体的には次のような影響を考えられます。

  • 顧客・取引先との信用低下
    納入先で数量間違いが発覚すれば、顧客・取引先に返品や連絡の手間を取らせることになります。納品後の業務スケジュールにまで影響を与える可能性もあり、先方からの信用を落としてしまうでしょう。最悪のケースでは取引を打ち切られ、自社の売上・利益ダウンにもつながりかねません。
  • コストの増大
    自社側でも数量間違いに対し、「再度の出荷手続き」や「顧客・取引先への謝罪」といった対応に追われます。本来、一度で済むはずだった出荷作業が二度手間となり、人件費・輸送費などのコストもかかってくるでしょう。

このように数量間違いは、企業として放置せず対策を必要とする問題です。

数量間違いが起こる原因

どのような原因で数量間違いは起こるのでしょうか。

以下のように、具体的な原因をいくつか解説します。

  • 人的ミス
  • 関連情報の多さ
  • ダブルチェックの不機能
  • 作業環境の不整備

人的ミス

毎回正確に作業できる機械・ロボットとは異なり、人による手作業ではミスが発生するかもしれません。作業員が長時間働いていると注意散漫になってしまったり、手順を誤ったりすることもあります。

ただ、他の作業員と比べて数量間違いを頻発させてしまう「ピッキングミスが多い人」も一定数存在します。具体的には2つの特徴をもつ人材です。

空間把握能力に欠ける

ピッキングでは倉庫にある多種多様な製品から、該当の製品を集めていくことになります。「倉庫のどこに何があるのか」、「どの順番で梱包したらいいのか」といった空間把握能力が低いと、ピッキングミスを起こしやすくなるでしょう。

また、作業場を整理整頓しながらピッキングを進めるとミスを減らせますが、こうした人は散らかしがちで「どこに何を置いたか分からない」状態となりミスを防げません。このような片付けの苦手な人材には注意が必要です。

正確に指示を読解していない

出荷指示書の内容を、正確に読解していないとピッキングミスは起こります。一度目を通しただけでは、数量を見間違うかもしれません。大雑把な性格で、細かな部分を気にしない性格の人材ではピッキングミスを起こしやすくなるでしょう。

また、作業に慣れているベテランの作業員であっても、「いつもこの数量だから」と経験による思い込みがあると、出荷指示書の内容を見落とす恐れもあります。

関連情報の多さ

出荷指示書の内容で、扱う情報が多すぎるために数量間違いにつながるケースです。品番や仕様、製造年月日など、数量以外にもチェックすべき項目が複数あるとミスを起こしやすくなります。また、品番や外見が似ている製品を扱うと誤認するかもしれません。

出荷指示書の内容は、できるだけシンプルな情報に絞り込むことが望ましいでしょう。

ダブルチェックの不機能

業務マニュアルではピッキング・出荷時の「ダブルチェック」を指示しているものの、実際の現場では正しく機能していないケースです。

例えば、以下のようなケースが当てはまります。

  • 人手不足で作業員を確保することができない
  • マニュアルと現場の業務に乖離がある
  • ダブルチェックをしても数量間違いが起こる

昨今では、どの業界でも人手不足に悩んでいるため、十分に作業員を確保できません。また業務量が多すぎるために、たとえダブルチェックをしていても、形骸化してミスを防げていない場合もあるでしょう。

作業環境の不整備

「棚や製品に貼られているシールの番号を読み取れない」、「作業スペースが狭すぎる」など、作業環境の不整備も原因としてあげられます。

毎回、特定のエリアだけで数量間違いが起こっている場合は、環境側に問題がないか検証するといいでしょう。特に老朽化の進んでいる設備には注意が必要です。

数量間違いを防ぐ対策5選

数量間違いの発生率を最小限に抑えるために、できる対策を5つ紹介します。

  1. ミスが発生した状況を把握、分析する
  2. ミスの少ないピッカーを手本にする
  3. マニュアルを根本的に見直す
  4. 作業環境を整備する
  5. システムを導入する

ミスが発生した状況を把握、分析する

まず、ピッキングミスの発生した状況を記録に残しましょう。

次のような項目を具体的に記載します。

  • 製品
  • 日付、時間
  • 場所
  • 作業方法、手順
  • 作業者
  • 数量

発生状況を詳しく記録することで、その原因を正しく分析できます。いくつかの記録を照らし合わせ、ミスの共通点を見つけられれば、本質的な課題に気づくこともできるでしょう。

ミスの少ないピッカーを手本にする

ピッキングミスの多い人が、ミスの少ない熟練ピッカーの作業を観察し、手本にする方法です。

ポイントは、作業手順を詳しく観察すること。例えばある製品を28個ピッキングする際に「28個を棚から一つずつ移す」場合と「1ケース30個入りの新箱を開封し、2個だけ棚に戻す」場合では、作業の効率性・正確性が大きく異なります。このようにピッキング作業を一挙手一投足まで観察しましょう。

また、その様子をビデオに収録し、社内の研修動画として共有すると、他の作業員も映像でイメージできるため手本にしやすくなります。

作業環境を整備する

作業環境をピッキングしやすい環境に整えましょう。

次のような対策を考えられます。

  • 作業場の整理整頓をルール化する
  • 棚と棚の間にあるスペースを広くする
  • 棚や製品に貼ってあるシールを刷新する

棚と棚の間にあるスペースが狭いと、ピッカー同士がぶつかったり、作業しにくくなるため非効率を招きます。十分なスペースを確保して作業しやすいようにしましょう。また設備が老朽化している場合は、ケガ・事故の原因にもなりかねません。新しい設備の導入も検討するといいでしょう。

マニュアルを根本的に見直す

ミス発生の分析や熟練ピッカーの手本、作業環境の整備をもとに、現場に沿った内容にマニュアルを根本的に見直しましょう。

マニュアルの策定時には、管理者だけでなく作業員の意見にも耳を傾けることが大切です。マニュアルに従って実際に作業するのは彼らであるため、作業しやすい指示内容となっているか確認するといいでしょう。

システムを導入する

在庫管理や検品作業に利用できるシステムを導入する方法です。手作業を自動化することで、ミスなくピッキング作業を進められるでしょう。

自社にあったシステムを選ぶため、次のポイントを検討することが大切です。

  • 自社の業務に適しているか
  • 出荷情報などを入力しやすいか
  • 機能を柔軟にカスタマイズできるか
  • 導入に必要な設備・スキルはあるか
  • 基幹システム(ERP)との情報連携はできるか
  • セキュリティ対策を行っているか
  • 導入後のサポートは充実しているか
  • 導入費用はどの程度か

ピッキング作業を自動化するためには、基幹システムとの連携は重要です。リアルタイムで在庫・検品の情報を確認できると、スムーズかつ正確に作業を進められるでしょう。

製造業の数量間違いを防ぐシステム「実績班長」

「実績班長」とは、製造業のデータ化・デジタル化を支援する製造実行システムです。これまでムリ・ムダ・ムラが発生しがちだったアナログ業務を自動化・効率化し、企業の売上・利益アップに貢献します。実績収集や進捗管理、在庫管理、品質管理、労務管理など、幅広い業務をサポート可能です。

在庫管理では入荷前から製品をデータ登録することで荷受・検品作業を効率化し、置き場所を把握できます。在庫品は場所・棚まで正確に管理し、全体の在庫を見える化。ピッキング時、すぐに製品の場所へたどり着けるでしょう。

出荷業務では、あらかじめ出荷予定を把握でき、作業員の確保・割り当てを簡単に行えます。もし製造遅れが発生したとしても、リアルタイムで把握してスケジュール調整も可能です。

また、現品表をスキャナで読み取って、出荷計画と照らし合わせて誤出荷を防ぎます。現品表にRFID(※)を活用すれば、ピッキング時と出荷時のダブルチェックも容易に行えるでしょう。

(※RFIDとは電波でタグデータを読み込めるシステム。複数のタグも一度にまとめて読み込み可能)

このように、実績班長では在庫管理・出荷業務を改善し、数量間違いの対策にもなるのです。

導入事例1:オーエスジー株式会社

システムの導入により、業務改善に成功した事例を紹介します。

業種 製造業(総合工具)
サービス内容 切削工具・転造工具・測定工具・工作機械・機械部品の製造販売・工具の輸入販売
【導入前の課題】
  • 実績の収集と進捗照会、ERPへのデータ連携までを連動させるシステムとする
  • フロッピーディスク等の手作業によるデータ更新の手間をなくす
  • 作業日報の編集から承認までをシステム化する
  • 進捗状況の照会がサービス時間外にも行えるようにする
【導入後の効果】
  • リアルタイムな進捗状況の照会が可能に
  • ハンディターミナル等のIoT機器を活用したスピーディな実績収集の実現
  • ERPへのデータ連携の自動化による入力工数削減

オーエスジー株式会社は、有線のハンディターミナルやフロッピーディスクによるデータ提供で、リアルタイムなデータ共有をできていませんでした。しかし、システムの導入によりリアルタイム化に成功。材料出庫情報も正確に把握し、ピッキングミスを防ぎます。

導入事例2:高越鋼業株式会社

徹底した脱・アナログ業務で、正確な在庫データの取得を実現した事例を紹介します。

業種 製造業(ネジ)
サービス内容 ネジ類(タッピングネジ・各種アッセンブリーネジ) 及び ネジ検査装置の製造
【導入前の課題】
  • 導入前の検討段階から社員が参加してシステムを構築すること
  • 紙ベースで行っていた業務をシステム化すること
  • 集合説明会を開いて一斉に操作方法をレクチャーすること
【導入後の効果】
  • 導入からおよそ半年後には決算用データとして使用できるほどの精度でデータ取得を実現
  • 納期管理ができるようになり、物量が増えても対応できる状態に
  • データ入力までをオペレーションに組み込むことでリアルタイムなデータ取得が可能に
  • 外注への指示管理が可能に

高越鋼業株式会社は「作業進捗と生産指示の見える化」や「手書き伝票、端末実績入力の排除による工数の削減」といった課題に取り組みました。精度の高い、リアルタイムなデータ取得を実現。

まとめ

数量間違い(ピッキングミス)は、どの企業も取り組むべき問題です。しかし、人的ミスや関連情報の多さ、ダブルチェック・作業環境の不整備などでなかなか対策できていない企業も多いでしょう。

数量間違いを防ぐためには作業環境やマニュアルを整え、熟練ピッカーの手本を共有することが大切です。さらに、根本的な業務改善を図るためには「実績班長」のようなシステム導入をおすすめします。

実績班長は入出荷に関わるさまざまなデータをデジタル化し、効率的・自動的な業務体制の構築をサポートします。まずは、「自社でどのような業務改善ができるか」を相談してみてはいかがでしょうか。

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