CASE STUDY製造業ソリューション 製品導入事例 Vol.11
お客様の声 スマート工場化に向けた第一歩として「実績班長」を導入
国内や海外拠点へのシステム導入で
製造現場のデータ粒度、精度の統一化を目指す
導入企業様セイコーインスツル株式会社 様
1937年、セイコーグループの腕時計製造部門として設立。以来、長年にわたり時計製造の中核を担うとともに、時計製造から生まれた派生技術を活かし、電子部品、精密部品、プリンティングデバイスなどの幅広い事業を展開しています。小型、低消費電力、高精度、長寿命化などの強みを活かし、デジタル社会やグリーンエコノミーを支援する革新的・高付加価値の製品・ソリューションを提供しています。
導入の経緯
既存システムのサポート切れを機に現場適応力に優れたMES を導入
現代のビジネスで競争力を維持するためには、効果的なデータの利活用が不可欠といえる。製造業においても同様で、工場をはじめとした製造現場の情報システムの選択は、業務効率化や生産性向上に直結する重要なミッションとなっている。
セイコーグループ株式会社のグループ企業で、国内外に複数拠点を構えてビジネスを展開しているセイコーインスツル株式会社。その拠点の1つとなる仙台事業所、電子部品の開発・製造・販売を手がけるマイクロエナジー事業部は、既存システムの老朽化(サポート終了)に伴い、MES(製造実行システム)の刷新に着手した。これまでの自社開発から脱却し、自社の開発リソースを生産性の高い業務に専念させるという方針もあり、複数のMESソリューションを比較して採用を検討。そこで選択されたのが、テクノシステムが提供するMESパッケージシステム「実績班長」だ。セイコーインスツルの情報システムを担当するセイコーソリューションズ株式会社 デジタルトランスフォーメーションソリューション統括部 情報システム1部 業務システム2課の松㟢 智行氏は、「実績班長」採用の経緯をこう語る。
「MESの導入については以前より展示会などでチェックして検討を進めていました。今回、既存のシステムがサポート切れとなることでMESの導入プロジェクトを立ち上げ、マイクロエナジー事業部の業務プロセスや規模感に合うソリューションとして、『実績班長』を提案しました」(松㟢氏)
今回のMES導入プロジェクトにおいてプロジェクトリーダーの補佐を務めたセイコーソリューションズ デジタルトランスフォーメーションソリューション統括部 情報システム1部 課長の遠藤 浩明氏は、「実績班長」採用の決め手として“自社の生産体系への適応力”を挙げる。
「多くのMESパッケージは、1システムで製造実績入力画面は1種類が基本です。実際の製造現場では工程ごとに管理項目が異なるため、それを実現するためには、フルスクラッチに近いカタチで各工程の画面を作り込むソリューションがほとんどでした。現場適応力に優れた『実績班長』では、1つの画面にこだわらず、工程ごとに画面を遷移させることのできる構成のため、他のソリューションに比べてコストを抑えることができ、その分、細かな管理レベルでのカスタマイズが行えました」(遠藤氏)
本プロジェクトでは、導入部門であるセイコーインスツル マイクロエナジー事業部、情報システムを担当するセイコーソリューションズ、そしてテクノシステムが連携し、生産管理部門及び製造部門の意見を十分に取り入れながら、システム構築が進められた。
実績班長を導入して実現した効果
- • 材料入荷から製品出荷までを一元管理
- • 製造現場の各種データを収集し、可視化
- • 中間品や仕掛品も瞬時に把握可能
製造現場のDX を実現するため、 継続的な改善で快適な操作性のシステムを構築
マイクロエナジー事業部システム課長の佐野氏は、「実績班長」のファーストインプレッションをこう語る。
「最初にデモを見せていただいた際の印象としては、マスターメンテナンスの容易さ、操作性の良さ、入力したデータを活用し生産状況のトレーサビリティが実現できる、さらに標準構成でリアルタイムに実績を把握できることなどが、我々(マイクロエナジー事業部)のニーズに非常に合っていると感じました」(佐野氏)
「実績班長」の導入プロジェクトは2019年7月に始動し、当初の計画どおり2020年5月に本格稼働を開始した。実質10カ月で導入が完了したことに、「MESという大規模なシステムの導入プロジェクトとしては短期間で導入できたと思っています」と佐野氏。昨今のコロナ禍で外出が制限される状況のなか、チャットやメールを活用したテクノシステムの手厚いサポートによるものが大きいと喜ぶ。「実績班長」の導入は、同じセイコーインスツルの関連会社であるエスアイアイ・クリスタルテクノロジー株式会社でも併行して進められたが、ベースとなるシステムを共有しながら、現場ごとに異なる工程に対しては柔軟にカスタマイズするというアプローチでスケジュールどおりのシステム構築を実現したという。
マイクロエナジー事業部生産管理課長の伊藤氏は、導入開始後も必要都度カスタマイズを行い、継続的な改善が続けられていると語る。
「導入時にはテクノシステムに工場まで来ていただき、仕様を固めていきました。『実績班長』は非常に使いやすいシステムで、実際に導入を開始した現場の理解も早く、操作性に対する評判も高かったです。実際に使い出すとどうしても細かな改善点が出てきますが、テクノシステムに要望を伝えると、スピーディにカスタマイズを行ってくれました。レスポンスの速さは現場にも好評で、現場の担当者が快適に操作できるシステムに仕上がってきています」(伊藤氏)
今後の展望について
セイコーインスツルでは、製造現場のDXのゴールをスマート工場化と位置付けており、その第一歩として、今回「実績班長」を導入した。「実績班長を運用することで現場のデータが蓄積でき、DXを推進するための“土台”ができあがってきたと考えています」と遠藤氏。伊藤氏も「実績班長」を活用してDXを加速させたいと力を込める。仙台事業所での成功を足掛かりに、他の拠点への導入も進められている。現在はタイの生産拠点に「実績班長」を導入するプロジェクトが進行中。さらに他の事業部への導入も検討されているという。各拠点のMESを「実績班長」にすることで、製造現場で蓄積されるデータの粒度、精度を統一したい狙いがある。
「『実績班長』はデータベースを公開していただいていることもあり、自社でのツール作成が容易に行えます。データを分析するためのBIツールの導入を進めており、今後は製造現場の“見える化”を推進していきたいと考えています。リアルタイムの状況把握やデータの有効活用はすでに実現しつつあり、今後も継続して取り組んでいきます」(伊藤氏)
企業紹介|セイコーインスツル株式会社 様
会社概要
所在地 | 千葉県千葉市美浜区中瀬1-8 |
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設 立 | 1937年(昭和12年)9月7日 |
従業員数 | (単独)613名 (連結)3,246名 |
資本金 | 97.56億円 (セイコーグループ株式会社 全額出資) |
事業内容 | 電子部品、精密部品、プリンティングデバイスの開発・製造・販売 |
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